やっぱり書店流通。

こんにちは。出版コーディネーターの下牧です。
少し前、散歩がてらピザを買いに行って待っていたときのこと。さっきまで晴れていたのに急に土砂降りの雨。ピザは出来上がったけど雨はより激しくなっている…。いったん店を出て道路を渡り、マンションの出口のところで雨を避けつつタクシーが来ないか見ていたら、奥の暗闇から男性がそっと現れて「傘あげます。僕はこれ（雨合羽）着たので傘なくても大丈夫なので」と折りたたみ傘を恵んでくださいました。見ず知らずの方の無償の愛に感激し、この傘は次に困っている人に出会ったら渡してあげるものなんだとお守りのように持っています。私は読んで面白かった本を周りの人に熱烈オススメするのですが、本もこの傘のように幸せを運ぶバトンのような存在になると嬉しいです。

出版したからには
チャレンジしてみたい書店流通。

「私の本が書店にならんだ」。そんな夢を実現したくて書店流通を希望される方は少なくありません。身近な人に配ったり、アマゾンだけで販売したり、自費出版にはさまざまな楽しみ方がありますが、ひとりでも多くの人に読んでもらいたいなら、やっぱり書店流通です。あなたが知らない遠いところで、誰かがあなたの本を読んでくれるかもしれません。

便利なインターネット書店で本を買う人が増えていますが、実店舗は行くだけで様々な情報が得られる最先端の情報発信地です。手に取って中身を確認して購入できるのは実店舗ならではの魅力。書店員さんの選書や陳列の工夫で、どの本も素敵に見えます！通りすがりで手に取った本が、どんな展開を生み出すかも未知数。ペンネームを使わず本名で出版したことで、昔の知り合いから連絡が来た方や、生き別れたご家族と再会したという方など、ドラマチックなエピソードも。

出版をビジネスに使いたい方にとっては、第一に「自分の本を出版した」という実績、そしてその本が書店で買えるという事実がブランド力向上につながります。アマゾンや電子書籍のみで販売を行う書籍も増えていますが、書店で買える本だけがもつ信頼感があるからです。パンフレットにも、名刺にもない、「書店で買える著書」というステイタス、ぜひビジネスに生かしてください。

造本装幀コンクール。

造本装幀の成果を総合的に評価する「造本装幀コンクール」をご存じですか？「美しい本」づくりをめざす意欲を高めること、国内外に向けて日本の造本技術・装幀デザインの素晴らしさを紹介することを目的とした賞です。入賞作品は、ドイツで行われる「世界で最も美しい本コンクール」の日本代表として出品されるとのこと。造本装幀のオリンピック代表になるようなものですね！1966年から毎年1度開催されている伝統ある賞です。今年は「読者賞」が新登場。2021年10月1日から11月30日の期間、ツイッターとインスタグラムでSNS審査が行われるそうです。参加型になったことでより盛り上がりそうで楽しみです。